ワンさんプロフィール
台湾出身。日本歴は1年半。2016年の3月に日本語学校を卒業して、現在就職活動中。
日本の好きなものは『祭』と『デパート』。日本で働きたい。
デパートには買いたいものが全てあるから。そごうと高島屋は台湾にいるときから親しんでいた。
ビックカメラ程品揃えが良い店は台湾にないので、とても気に入っている。
日本のイメージについて
—来日前から日本と関わりがあったんですか?
A:もともと日本文化に興味があったんです。
台湾では日本のテレビ番組が放送されているので、小さい頃から観ていました。
(特にロンドンハーツといきなり黄金伝説)
その時観た『お祭り』の映像がとても楽しそうで、それ以来ハマっています。
—へぇ、台湾では『お祭り』ないんですか?
A:いえいえ、ありますよ!
でも日本は種類も多いし、頻度も多い。
それに日本の祭りは凄く活気がありますよね。 だから大好きです。
日本のお祭りは年中やってるので、検索して結構色々なお祭りに行っています。
去年は横浜でピカチュウー祭りがあって、友達と参加してきました。
—凄くかわいい(笑)こんなお祭りがあるなんて知りませんでした。
ところでワンさんは、日本に来てイメージと違っていたことなどはありましたか?
A:日本に住んだ時と、旅行で来た時だと全く違っていて驚きました。
旅行で京都に行ったことがあるんですが、日本人は物凄く冷たいと感じたんです。
だけど住んでみると案外親切で、何度か助けられました。
私は今横浜に住んでいるんですが、場所の違いかな…。
台湾でも台北の人は冷たいけど、台南の人は優しかったりするので。
—そうなんですね。でもイメージが良くなったのなら安心しました。
では、日本に居て住みにくいな、と感じることはありますか?
A:日本人は外国人にあまり優しくない気がします。特に社会人は…。
ネイティブレベルで日本語を話せると思っている人が多いんです。
でもみんながそういうわけじゃない。
だからニュアンスで汲み取ってくれる人がいると、とても助かります。
何を言っているのかわからないからと、すぐにはね退けてしまうのではなくて、伝えようとしていることとか、一生懸命さを少しでも理解しようとして欲しいですね。
—日本人はあまり外国人に慣れていないので…。
では、こういうところが日本人と台湾人は違うな、と感じることはありますか?
A:日本人は自分の時間が一番で、台湾人は自分のことだけではなく他人を助けたいという心をもっともっと持っていると思います。日本人より温かいですよ。
でも、都会(=忙しい)と田舎でまた違うかもしれないですね。
そのことも関係しているのか、台湾と日本は生活のスピードが違うように感じます。
台湾はもっとゆっくり時間が流れています。
日本で働くことについて
—横浜にいると余計にそう感じるのかもしれないですね。
では、そんな日本で働きたいと思ったきっかけなどがあれば教えて頂きたです。
A:日本の河口湖にある旅館に宿泊したことがあるのですが、その時に女将さんの気遣いやおもてなしにとても感動して…。
自分も日本で働いて、日本のおもてなしを学びたいと思いました。
—日本のおもてなしを学びたいという留学生はかなり多いですよね。
そんな日本のおもてなしを学ぶために働く上で、不安なことはありますか?
A:敬語を話せるのかがかなり不安です。
例えば、「いいです」と「結構です」の微妙なニュアンスの違いが分かりにくくて。
日本語学校の先生には理解してもらえていますが、社会に出たら自分の言葉が通じるのかとても不安です。
台湾と日本の働き方の違いについて
—確かに、接客業となると余計にハードルが高くなりますね…。
ところで台湾の方はどういった働き方をしているのでしょうか?
A:台湾の人はよく働きますよ。
仕事をしながら育児している人が大半なので、専業主婦はほとんどいないです。
日本のお母さんは比較的若いですよね。
台湾の人は28歳〜30歳くらいで結婚。出産するのは35歳くらいが普通だったりします。
実は台湾の出生率は世界最低レベルなんです…。
でも台湾は男の人も育児をします。これは日本より良いことじゃないかな。
日本ではやっぱりまだ男の人が強いってイメージがありますが、台湾は女の人の方が強いです。
—台湾の出生率が世界最低レベルなのは知らなかったです…。
では最後に、ワンさんの今後のビジョンを教えて頂きたいです!
A:そうですね、せっかく日本語を学んだので、日本語をよく使う・よく話す仕事に就きたいと思っています。
そして何より、世界に通用するグローバル人材になりたいです。
先ほど日本のおもてなしを学びたいという話をしましたが、実は私の祖母がアクセサリーのお店を営んでいて。
貿易もしていてヨーロッパのお客さんもいらっしゃるんです。
そのお店を継ぐつもりでいるので、留学の経験を活かして、日本のお客さん繋がれたらいいなと思っています。
そのためにおもてなしと言語をもっと積極的に学んでいきたいです。
ライター:弓場絵里加