(本記事は、2016年5月に弊社が公開した記事を転載したものです)
スラマッシアン! (Selamat siang!)
田上です。今回はASEAN人材採用の実態第四弾。インドネシアを取り上げます。
2億5000万人の巨大マーケットはどの会社さんも注目されています。
【供給(人材)】
留学生数
現在3,600人程度、年々増加しています。3年前は、2,000名強程度ですので、かなりの増加率とは言えますが、インドネシアの人口を考えると、少ないようにも思えます。属性は、4年生大学、専門学校、日本語学校と様々で、学部選択も多様です。
ちなみに4年生大学、専門学校の留学生はほぼほぼ奨学金をもらっている印象です。「奨学金をもらえたから日本に留学をした」という人が多いです。インドネシアは特に目立ちます。よくよく留学生から聞いてみると、日本留学の情報はインドネシアではあんまり手に入らないそうです。ですので、日本留学の表向きな理由は「技術がよい」とか「日本のアニメ・ドラマが好き」とかそういう表層的なものにならざるをえなくなり、裏向きな理由は奨学金なのです。
今やインドネシアの優秀な学生は世界中の大学がインドネシア現地に赴き、ハンティングしている状態であり争奪戦となっています。その争奪戦に参加していて、世界の大学と戦っている日本の大学はわずか1校 。(大分県のあの大学ですね)
性格
マイペースで穏やかです。かなり勉強熱心な印象も受けます。よくインドネシア人は時間を守らないという説はありますが、日本にいるインドネシア出身者は、ちゃんと日本のやり方に定着していますのでご安心ください。
語学力
日本語力は人によってバラツキがありますが、N2を取得していればまず業務上問題はないでしょう。
英語はビジネスレベルで運用できる人の割合は高いといえます。
キャリア観
インドネシア留学生は民族的にも多角化しているため、一概に語ることは難しい部分でもありますが、いずれは母国に帰りたい層、ずっと日本にいたい層、だいたい半分くらいにわかれます。
仕事の選び方も人それぞれ。大学の専攻との関連性にこだわる人もいれば、インドネシア関連にこだわる人、楽しければなんでもいい人。こればかりは傾向がつかめません。
【需要(企業)】
2億5000万のマーケットにはどの企業も注目していますが、インドネシアは海外からの資本の受け入れに積極的ではなく、日本の会社も進出にあたり指をくわえて待っている状況が伺えます。業態によって進出のハードルが違うようですが、よくいただくインドネシア人求人は、メーカー(現地生産拠点の将来の幹部候補)が多い印象です。
人材の要件については、インドネシア国籍に加え、専攻や職務経験が付帯されると母数がなくなるケースがあるので、日本語力以上のものを求めることは難しいことを説明させていただいております。