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タイ人採用の実態 2019年度Ver (人材市場編)

この記事は外国人採用ノートに掲載されていた内容に加筆修正し公開した記事になります。

 

こんにちは、田上です。

かつて書かせていただいた「タイ人採用の実態」にかなりのアクセスがあり、未だに長寿コンテンツとなってますが、
作成日が3年以上前で、現在の実態を反映できてないこともあり、今回アップデートさせていただきます。

留学生数は微増、日本就職意欲は半減

3年前、タイから日本への留学生は3,500名、現在は4,000名程度と微増という状況です。さらに全留学生中の700名以上が国費留学生で文部科学省からの奨学金をもらって留学しています。全国費留学生およそ、9,500人中、18.2%がタイの留学生で、国別でトップを示しています。2位はインドネシアの14.2%と3位がバングラデシュの14.0%です。中国は1.0%未満となっています。日本政府がタイと友好関係を築きたい気持ちが伝わってきますね!

ただ、日本留学=日本就職したい、というのはタイ留学生に関してはほぼ成り立たなくなりました。

ちなみに文部科学省の国費留学生のみについて言及しますと、だいたいタイのトップ大学を卒業して、日本のトップ国公立・私立大学院に入学する人が対象となるようです。そして日本のトップ大学院では基本的に研究を英語で行うため、日本語研究などの学科にいない限りは、特に日本語を勉強する必要がありません。中には日本就職を見越して、スキマ時間に日本語学習を行ってる留学生もいますが、特に日本就職しなくても、快適な生活がタイで待っているので、ハングリーになる必要はなくなりました。ここ数年で、特に首都バンコクの生活は豊かになり、新卒給与もかなりの上昇を見せています。改めてタイ人が日本就職する意味・メリットは何なのだろう。見直さなければいけない段階にきてると思います。

日本就職したい、タイ人留学生の母数が減ってる中、求人企業からのニーズが増えている印象ですが、この領域に強い人材紹介会社は弊社以外ほぼないんじゃないかなという印象です。普通に探しててはまず見つからないですね。(やや強気に書きましたが、割と自信を持って言える部分でもあります^^; )

私費留学は思い出作り、日本留学は母国のキャリアに箔がつく!

先ほど文部科学省の奨学金についてお話をしましたが、私費でタイの大学を卒業し、一部の方はタイの日系企業の就業経験を持ち、日本の日本語学校・専門学校に私費留学するタイ留学生も文系を中心に増加している印象です。ただ、ベトナムとの違いは、日本就職できなくても、タイの日系企業が彼らの留学経験を高く評価し、そこそこよいオファーが出る状況です。ですので、何が何でも日本で働きたい!というよりかは、日本食が好きとか、四季が好きとか、アイドルが好きとか、そういう文化を長期間日本語と一緒に学びたいという側面が強いように思えます。

日本に永住したい人は珍しい、仕事以外の理由が何かある。

タイは仏教徒で、国王の次に両親を大切にします。ゆえに、様々な意思決定場面で親の意向が反映されますし、将来的には母国に戻ってきてほしいという親の希望と本人の意向が全体的に見られます。日本に永住したいタイ人は、日本にすでに親がいる、大切な親戚がいるとか、日本に配偶者がいる、または、日本じゃなきゃできない仕事・アクティビティーを彼らなりに見出しているケースくらいでしょうか。給料も経験や役職次第では、在日企業より在タイ企業の方が出してくれるケースも珍しくなくなりました。一方でタイでの生活費は日本の2分の1未満なので、どれほど豪華な生活が送れるかは想像に難くありません。

タイ語が通じない、タイ料理屋もそこまで多くない、給料も劇的には上がらない、そんな日本で長く働き、生活する意味、タイ人採用については、真剣に向き合わなければいけない状況になっていると感じている、今日この頃でございます。

次は、タイ人採用の実態 2019年度Ver (採用事例編) をお届けします!

https://www.nodejpn.com/journal/humanresource/2914.html

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